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小さな国際交流(7)
*プカルパ脱出行
 今日は長〜〜い日曜日になりそうです。なにしろここから370km以上はなれたワヌコの町のさらに先まで行かなければいけないのですから。しかし、『腹が減ってはいくさができぬ』とことわざにもあるとおりなので、ここはやはり朝食をきっちり食べに行く事にしました。
 町の中心のアルマス広場のレストランでサンドイッチを食べていると、早くも予約してあるタクシーが、私たちを見つけました。
『そろそろ出発したいのだけれど・・・。』
『おっちゃん、まだ7時半やで。8時に予約してあったんとちゃうか?。』とハナコさん。
『明日から‘パロ’でっしゃろ。そやからわて、はよプカルパへ戻ってきたいんや』(何で運転手まで関西弁に?)
『わかったわかった、急いで食べるさかい、もうちょっとだけ待っといて。』

 さて食事が終わり、ホテルへ行こうとすると、運転手が車に乗れといいました。近いけれど車に乗ったほうが早いからだろうと思い、乗り込みます。するとホテルの前をスーと通り越してしまいました。運転手はそのまま町を出ようとします。
『こらこら、私たち荷物をまだとってきてないよ。』
『あっ、いけね〜〜!。ごめんごめん、すぐに戻ります。』  あわてんぼうの運転手さん。早く行きたいのはわかるけれど、安全運転でお願いしますよ。

 8時ちょっと前にタクシーはホテルを出発しました。プカルパの町を出て1時間も走ると、例の地獄の悪路が始まります。小型の車だけれど、急いでいる事もあって、飛ばすこと!。車の中では座席から飛び跳ねるくらいゆれてゆれてもう大変。心配していた行きにバスがはまったぬかるみは、もう乾いていて難なく通過しました。
パンクした乗り合いタクシー  ところがどっこいやはり『パンク』。おっちゃん急ぎすぎですよ。よく見るとタイヤは丸坊主。ひえ〜〜!こんなタイヤで走っていたのか〜!、と支配人は唖然としています。(左写真)

 気を取り直して、ティンゴ・マリアへと急ぎます。
 峠を越え、道も舗装になって、やがて午後2時に255Kmの旅を終えて無事にティンゴ・マリアに着きました。そして車と運転手のおっちゃんは、急いでプカルパへ帰っていきました。

 さて、ここからまずワヌコへ行く車を見つけなくてはいけません。腹も減ったけれど、そちらが先です。ティンゴ・マリアの町は‘パロ’を避けて脱出しようとする人たちでごった返していました。
 まず、長距離バスをあたってみました。ワンカイヨへ行くツーリスモ・セントラルのバスはあっけなく満席だと断られてしまいました。次は中距離の区間バスのターミナルへ行って見ました。ここも目一杯人が乗ったバスが出発を待っています。乗れないか聞いてみると、乗客がいや〜〜な顔をして私たちをにらみつけます。うへ〜〜!おっかない。
 どうしようか迷っている時、遠くの方から乗り合いタクシーの呼び込みが聞こえました。『ワヌコ、ワヌコ、あと2人』
 よし、行ってみよう。と急ぎます。
『4人なんですが、乗れますか?。』
『4人?。ちょっと狭いけれどいいかな?。』
『もちろん!我慢します。』
 ここからワヌコまでは舗装道路を約116Km.普通だと2時間30分で行くので、それくらい我慢しようと思いました。

 さて、5人乗り(運転手含めて)の自家用車タイプのタクシーに、前に大人2人と子供1人、後ろの席に私たち4人の合計7人も詰め込んで、タクシーは出発しました。これから3000mの峠越えが始まります。(ティンゴ・マリアは標高649m)車は重そうに坂道を登っていきます。順調に走っているなあ、なんて思っていたその時、いきなり車のエンジンが止まってしまいました。
『ノー・トラバッホ(働かなくなった)』 と運転手がぽつりと言い、ボンネットを開けてエンジンを見始めました。
 なんだって、こんな時に。やはり『トラブルのハナコ』は続いているのかなあ、なんて、皆で顔を見合わせてしまいました。
『タイミングベルトが切れている。』
『え〜〜!じゃあ車は動かないじゃないか。どっ!どっ!どうしよう。』
『私が何とかするから少し待っていてくれ。』
『何とかするなんていっても、町まで行かないとタイミングベルトなんて手に入らないじゃないか。』
『大丈夫だ。』
 そんなあ、ちっとも大丈夫じゃないよ。よし、さっさとこの車を見捨てて別の車を拾っちゃおっと。さあさあ、道端の目立つところにたって、車が来たら手を上げて止めるんですよ。ほらほらYさん、あいた口がふさがらないような顔をしていてはいけません。真剣に手を上げるんですよ。(右写真)
 待てど暮らせど車は一杯人が乗っていて止まってくれません。大型のバスまで素通りしていきます。やはり‘パロ’の影響で、脱出する人で目一杯なんです。あ〜〜どうしたらいいだろうか・・・。
 途方にくれていると『おーい、車に乗れ!。』と運転手が叫びました。バナナを満載したトラックを止めて、なにやら話をしています。「このトラックの荷台に乗れってか。」なんて思っていたら、そうではなかったのです。どうやら牽引してもらうようです。
ぽかんとたたずむ一同
 バナナ満載のトラックにひかれて、タクシーは発車しました。のろのろと坂道を登って行きます。しかし、そののろいトラックの前にさらに遅いタンクローリーが・・・。そしてトラックは私たちの車を牽引したまま、のそのそとタンクローリーを追い越すではありませんか!。
『トラックのおっちゃん!勘弁してや〜。後ろに車付けてんやで〜!。』とハナコさんが叫びます。いくらこちらで叫んでも前には聞こえませんね。平気でどんどん追い越していきます。
 やがて峠のトンネルに差し掛かりました。ここまで牽引される事、1時間。トンネルを出たところでトラックは止まりました。『はーー、やれやれ。』

 ところがここからがまた大変でした。切り離された車は、なんと惰力で坂を下っていくではありませんか。運転手は『大丈夫、大丈夫』なんて、まったく平気な顔をしています。下り坂はだいぶゆるいのですが、ブレーキが利かなくなったらと思うと、こちらはひやひやものです。
 そして、牽引してくれたトラックも、惰力走行であっさり追い抜いてしまいました。もちろん大型のタンクローリーも追い越します。タンクローリーの後ろにはスペイン語で『ペリグロ』(危険)と大きく書いてあるんですが、それを見たハナコさんがぽつりと言いました。『どっちがペリグロや!。』それには日本人一同大笑い。
 さらに下っていくと、検問所がありました。窓から顔を出したハナコさんが叫びます。『おまわりさん、この車を捕まえてくれ!。』 それでもスーと何食わぬ顔をして通ってしまい、さらに車は走ります。
 坂がゆるいところがあって、車は止まりそうになりました。そうなると皆は車の中で、つい一生懸命動け動けと体を動かします。さっきまで止まってもらいたかったのに。
 約1時間の惰力走行のあと、ついに川を渡る橋までやって来ました。ここが谷底です。ここで車は止まりました。そして運転手が言いました。
『ここからワヌコまで僅か5分でいけるんだ。ここからなら車は一杯ある。さあ、約束の運賃を払ってください。』
『冗談じゃない!。ここはワヌコではないぞ。ワヌコまで行く約束じゃないか。』
『そんなこと言わずに、さあ払って頂戴。』
『おっちゃん、日本人を馬鹿にしたらあきまへんで。あんたガソリンも使っていないくせに!。』とハナコさん。これには強気の運転手もさすがに苦笑い。すったもんだの交渉の末、ワヌコまで行く車を捕まえて、その運賃を運転手が払う、という事で決着しました。

 ワヌコへ行くバスはすぐにやって来ました。‘パロ’を避けたい人たちがたくさん乗っていました。しかし途中で降りた人がいたらしく、立たなくてはいけなかったけれどもそれほど一杯ではありません。でも、ワヌコの町までは20分かかりました。『運転手め!、何が僅か5分だ』とはみんなの感想です。

 ワヌコのバス会社のオフィスにバスは午後6時10分に着きました。さあ、ここからさらに先まで進まなくてはいけません。まずはワンカイヨ行きのバスを聞いてみました。
『ワンカイヨに行きたいんだけれど、バスはありますか。』
『ワンカイヨならツーリスモ・セントラルのバスだね。ここを出て右へ行くとすぐに事務所があるよ。』
 ほんとにすぐに事務所がありました。2階建てのバスが1台止まっています。
『ワンカイヨへ行きたいんだけれど、バスはありますか?。』
『午後6時発のががあるよ。何人だ?。』
『えっ、今6時20分だけど・・・。』
『遅れているんだ。席はあと5つしかないぞ。』
『ええ〜〜!!じゃ4っつ、4人分ください。』
『バスは2階建てだけれど、下の階の席しかないけどいいのか。』
『そんな、どこでもいいですよ。』
『はい、4人で86ソルね。』(1ソル約35円)

 やった〜〜!!!これで今日中にワンカイヨまで行けるぞ〜〜!!。
 支配人がぽつりと言いました。
『野球で言うなら、今までノーヒットノーランに抑えられていた試合の9回の裏2アウトで逆転満塁ホームランがでて勝った試合のようだ。』  本当、そのとおり。良かった良かった。

 ワンカイヨには夜中の2時半に着きました。アマゾンで暖かいのになれていたせいか、寒い夜風が体に染み入ります。私たちの長〜〜い日曜日がこれで終わりました。私たちはワンカイヨのホテルで、暖かい毛布に包まれて、この日は深い眠りに落ちていきました。
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